2020年3月10日火曜日

VVVFインバーターの音は何の音?

鉄道好きだと電車のモーター音で車両の形式を聞き分けられるようですが、モーター音はどこからくるのでしょうか。ここでは、モーターの回転そのものからくる音ではなく、多くの電車で使われていて特徴的な音のもとになっているVVVFインバーターの音がどうして発生するかについて説明します。(最近は音が静かになりましたが、基本原理は同じです。有名な「ドレミファインバーター」については後日。)

 VVVFインバーターがどういうものかについては別項に書きました。VVVFインバーター制御では長いパルスと短いパルスを組み合わせてモーターを駆動する駆動信号の波形を作り出します。その駆動波形に従って回転磁界が発生し、それにつられてモーターが回転するという仕組みです。

 モーターに加えられるパルスのでこぼこをならして駆動波形を見ると50Hz(ヘルツ)(1秒間に50回変化)程度ですが、長短の個々のパルスは数百~数千Hzという高速で変化します。(パルスの長さは変化するものの、参考用のキャリア波という三角波よりも所望される制御信号波が上回ったときに実際のパルスをオンにすることによってパルスを生成しているので(三角波比較方式といいます)、駆動信号の周波数はほぼキャリア波の周波数といえます。)

 パルスによりモーターにかかる電圧が変化すると、磁界もそれに合わせて変動するので、モーターのコイルの鉄心などがその周波数で振動して、音が発生します(励磁音といいます)。振動はごく小さいので、モーターが壊れたりはしないのですが、この数百~数千Hzというのがちょうど人間の耳に聞こえる周波数なので、騒音となって聞こえるのです(参考までに、ピアノの中央のオクターブのラが440Hz、その上のラが880Hz)。

 始動時のVVVF制御の場合、電圧を上げながら周波数も上げていくので、低音からだんだん上がっていく音になります。 ただし、周波数を上げていくとパルスが細かくなりすぎるので、ときどきパルス波の数を減らします。たとえば制御信号の波一つにつきキャリア波が9個だったのを3個にするなどです。このときいったん音が下がるので、始動時には音が上がったと思ったらまた下がって上がっていく、というのが繰り返されるのです。

インバーターによる励磁音は、技術の進歩により静かになってきています。主な方式を二つ紹介しておきます。
 (1)GTOからIGBTへ
オン/オフのパルスを発生するといっても、実際に電流の切り換えを行なうスイッチング素子の速度には限界があります。かつてのGTOサイリスタの場合は500Hz(1秒間に500回の切り換え)程度が限界でした。その後IGBTという高速スイッチング素子が登場したことで、キャリア周波数を高くすることによって、耳障りなノイズを回避することもできるようになりました。
なお、今ではIGBTより進んだSiCを使ったスイッチング素子も登場しています。これは従来のSi(ケイ素)をSiC(炭化ケイ素)に変えたもので、オン/オフ切り換えの時の電力損失が少なく、省エネになるというものです。E235系などに採用されています。

 (2)ランダム変調
平均的な駆動波形はそのままでキャリア波の周波数を一定範囲内でランダムに変化させることにより、励磁音の周波数を分散させ、人間が感じる騒音レベルを下げる技法もあります(ランダム変調といいます)。周波数が一定の「ピー」「プー」といった音に比べて、いろいろな周波数が混ざった「サー」という音のほうがうるさく感じにくいという、人間の聴覚の性質を利用したものです。

参考:
「交流モーター車の走行音の分析」「VVVF名鑑」などのサイトではいろいろな車両のモーター音がまとめられています。
 YouTubeでは、VVVFインバーターを自分で作って電車の音を再現する動画が見られます。

(この項目はパパが担当しました。)

2020年1月19日日曜日

VVVFインバーターとは

 鉄道雑誌を見ていると「VVVFインバーター」という言葉がよく出てきます。VVVFというのはvariable voltage, variable frequency(バリアブル・ボルテージ・バリアブル・フリーケンシー)の略で、電圧(ボルテージ)と周波数(フリーケンシー)の両方を変えられる(バリアブル)、つまり「可変電圧可変周波数」という意味です。電圧とは電気の波の高さ、周波数というのは電気の波がどのくらい速く振動するかを表わします。
 

「インバーター」というのは直流電圧(ずっと一定の電圧)をオン/オフすることで交流電圧(波のように変化する電圧)を作り出す装置のことです。一つ一つのパルスの長さを長くすれば波の高いところになり、パルスを短くすれば波の低いところになります。




インバーターを使って直流から交流を作ると、周波数を自由に変えられるのがポイントです。たとえば冷蔵庫を考えてみましょう。インバーターを使わないと冷却の強さを調整することができないので、冷たくなりすぎたらオフにして、温まったら冷却をオンにする、ということを繰り返さなければならず、その間、温度は(一定の範囲で)上がったり下がったりします。インバーターで周波数を変えればモーターの回転を自在に調整できるので、インバーターを使った冷蔵庫やエアコンは、よりきめ細かな温度調整ができるのです。(家庭のコンセントにくる電気は交流ですが、それを直流に直したあと、インバーターを使って必要な周波数の交流に直しています。)
電車でも、周波数を調整することによってモーターの回転を調整し、それによって電車の速度を制御しています。(「可変電圧可変周波数」のうち、「可変周波数」はインバーターにとっては当たり前のことなのです。)

では「可変電圧」は何のためにあるのでしょうか。実は電圧を一定にして周波数で速度を調整するというのは、ある程度速度が出たあとの話で、低速では電圧を下げる必要があります。高速ではモーターの回転に抵抗しようとする逆起電力(逆電圧)が生じていたのが、低速ではそれが小さくなるので、電圧を低くしないと電流が流れすぎてしまうからです。


このように、動き出すときには周波数を上げながら同時に電圧も上げる「可変電圧可変周波数」、つまりVVVFによる制御が行われます。
 VVVFインバーター方式は1980年代に開発されていましたが、VVVFインバーター方式が採用されたのは、JR東日本で本格配備されたなかでは、209系からです(量産型の209系0番代が最初に投入されたのは京浜東北・根岸線で1993年)。なお、国鉄時代の103系からステンレス製の銀色へと外観上大きく変化したのは205系ですが、209系は「重量半分・コスト半分・寿命半分」を掲げて他にも多くの新機軸を導入し、新系列車両の先駆けとなりました。
新幹線では300系(1990年試作、1993年量産開始)からVVVF制御になりました。



(この記事はパパが担当しました)


2020年1月18日土曜日

E217系

 E217系は1994年とかなり古い時代から走っていた電車だ。横須賀・総武線快速線の115系の置き換えとして登場したが、老朽化が進んできたのできたのでE235系と置き換えをすることになった。2023年度までに姿を消す予定だ。E217系は新系列電車の中でどの路線からも消えるというのは初めてだ。一時期東海道線にも最高3編成が活躍したE217系だが、E233系の増備により鎌倉車両センターに戻ってきた。帯色の青色を濃い色からやや明るい色に変更した。行き先表示板は幕式。
車内は東京でいう千葉方面の先頭車両はボックスシートになっていて、横浜方面の先頭車両はロングシートになっている。これは千葉方面の先頭車両の写真だ。このときに優先席は一両に四人分だが、横浜方面の先頭車は一両に八人分になっている。シートモケットの色は青色で、優先席はほかの形式同様。
編成の関係は上野東京ラインや湘南新宿ラインの10両と5両ではなく、4両と11両になっている。東海道線のときのE217系は5両と10両だった。
方向は千葉方面が11両、横浜方面が4両だ。





車内はE231系や209系500番代などとほぼ同じ。ドアは銀色で、上のLEDのサイズは1行になっている。

登場年: 1994年
運用区:横須賀線、総武線快速、内房線、外房線、成田線(成田から成田空港方面)、鹿島神宮線
後継車両:E235系(まもなく登場)
登場する前の車両:115系


2020年1月15日水曜日

E231系近郊タイプ


E231系の中で近郊タイプという名前だが、番代でいうと1000番代になっている。デザインは0番代と変わらないが、近郊型らしいモーターなどになっている。帯色はもちろん湘南色になっている。 行き先表示板も赤と緑のLEDになっている。2001年に高崎線で営業を開始して2004年には国府津車両センターにもE231系がはいった。グリーン車もE233系やE531系とほとんど変わらない。
車内も0番代と特に変わらない。シートモケットはE233系と同じ青色。
 0番代と変わらないところが多いがボタン式になっているところは特徴だ。
 ドアは500番代のように白と黄色にはなっていない。

登場年:2001年
運用区:東海道線、高崎線、湘南新宿ライン、上野東京ライン、両毛線、伊東線
登場する前の車両:115系
後継車両:E233系3000番代



2020年1月11日土曜日

E231系500番代












E231系500番代は、2002年に登場して、山手線の205系を置き換えた。だが、山手線ではE235系が投入されていて、置き換えられ、総武線に転属している。外観は0番代とは違って、ライトのまわりの黒い部分やスカートの形などが違う。E231系は普通は先頭部が白くないが、500番代だけ特徴的なデザインで、白になっている。

車内はデザイン的にはほかの0番代と変わらないが、ドア上に二つテレビがあるのはほかの形式とは大きく違う。山手線のときは途中から11両にしたため10号車に当時最新技術を加えてE233系同様になったが、10号車は新しくできた車両なのでまだ使えるということで、E235系に改造して新しいE235系の中に加えて山手線で使用した。10号車以外の余った10両は総武線に転属した。

上の左側は普通の総武線で使っている車両だ。右側の写真は山手線で使っている10号車のE233系仕様のE231系だ。この10号車はE235系で置き換えをするときに改造してE235系の10号車となって生まれ変わった。山手線のE231系も10号車以外はこのような銀色のドアになっている。見分け方はドア色が銀色か白に黄色の線かでわかる。
優先席付近は0番代と特に変わるところはない。







運用区:山手線、総武・中央線各駅停車
登場年:山手線では2002年4月、総武線では2014年12月
登場する前の車両:山手線では205系、総武線ではE231系0番代
後継車両:山手線ではE235系


2020年1月4日土曜日

E231系0番代


E231系0番代は2000年に登場して総武線で活躍した。2001年には常磐線にも登場したが、数が少ないので写真には撮れなかった。2017年には帯色をオレンジ・白・黒にしたE231系を武蔵野線に転属した。2018年には八高線に3000番代に改造されて転属した。5号車に6扉車が総武線にある場合があるが、武蔵野線と川越線の転属の場合は4両や8両にするので、6扉車は抜かれている。
このようにE231系は0番代だけでもいろいろな路線で使用されている。

車内はE217系や209系と特に変わりはない。 E233系やE235系では手すりが丸くなっているが、E231系はまっすぐシンプルになっている。
ドアは武蔵野線の転属の場合、黄色のラインがはいっている。
ドアの上のLED案内表示はE233系3000番代よりやや小さいものとなっている。

優先席付近はE233系のような赤色の目立つようなものはなく、車いすスペースと席の色で区別するようになっている。

運行区: 総武線・常磐線快速・武蔵野線・成田線・川越線・八高線
登場前の電車:総武線209系、武蔵野線209系、川越線209系、八高線209系

新系列電車大百科 目次

E235系 山手線 1000番代 E233系 0番代 1000番代 3000番代 5000番代 6000番代 7000番代 8000番代 E231系 0番代 500番代 近郊タイプ E217系   新系列電車 の基本 VVVFインバーターとは V...